July 20, 2008

1138スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑫

1138スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑫:趣味際人

KFCの高田さんは、一夜漬け・ぶっつけ本番で、平城京大会で40秒飛ばしました。筆者も初期調整にはほとんどてこずったことはありません。
初期テストでは、手巻き100~150回で素直に飛ぶようです。
水平尾翼の取り付け角がマイナス4度くらいですから、これに見合うダウンスラストと、右スラストをつけると、巻き込んでも安定した上昇をします。
グライドもほとんど一発でした。水平尾翼と垂直尾翼(または右側の主翼下面)のガーニー・フラップ程度で、普通の左旋回になります。

ヤワに見えるスチレンペーパーですが、このように基本的には三角錐形の胴体にした場合は、非常に丈夫です。
強力型のテスト用として、胴体を太くして、TAN2×6条を押し込み、直径240mm(P30用)のペラを付けた場合も、胴体は保ちました。昔の動力無制限のR級のような豪快な垂直上昇をします。

逆に、TAN2×2条相当(市販のスチレンペーパー翼ライトプレーンの動力ゴム、16番輪ゴムを4~8本繋いだものを2つ折にした束など)に特化するならば、上述の機体(スパン325mm×胴長360mm)の75%に当る胴長270mmくらいが手ごろなようです。
この場合は、出来るだけ軽量化を図るために、細い動力ゴムにあわせて胴体断面積を切り下げます。
大きいほうの機体でも、TAN2×2条で飛行できますが、このように75%の大きさにすると
100~140mm.のプロペラでかなり景気良く飛びます。

幅広の台形断面の機首は、正方形断面に見慣れていますから、はじめは抵抗があるかもしれません。使ってみて、カイモノを入れるスラスト調整に支障はありません。また、外見も慣れると気にならなくなります。

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July 19, 2008

1137スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑪

1137スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑪:趣味際人

以上を予備知識として、この機体の製作手順を具体的に追って見ます。

まず、アルバムの2枚に分割された製作図面をダウンロードして、それぞれをA4版にプリントします。この2枚の図面を、胴体の軸線と長さを基準にして、曲がらないように合わせ、A3版の全体図面に張り合わせます。これをコンビニのコピー機で2~3枚コピーします。
この全体図面から、胴体・主翼・尾翼などの型紙を厚紙で作ります。
型紙を使って、スチレンペーパーからそれぞれの部品を切り出します。この切抜きは、普通のカッターナイフで容易に行えます。

次に、胴体の角や主翼翼型(への字)、糊しろなどの折り曲げる部分の折れ線を、折れる内側から、ペーパーナイフや「へら」などの鈍い刃先を使って、凹ませます。
各折れ線は、折り曲げて折れ癖を付けます。定規などを使って全体を押さえると、きれいに折れ癖が付きます。

それから、各接着部分に両面テープを貼り付けます。

主翼と外翼(ウイングレット)を接着します。内翼端の下側に貼り付けた両面テープのカバーをはがし、ウイングレットを内翼の端に押し付け、「糊しろ」を内翼下側に折り曲げて、貼り付けます。ウイングレットの「糊しろ」の角度によって、概ね上反角60度くらいで接着するはずです。

水平尾翼は上面に3列の両面テープが貼ってありますが、そのうち中央のカバーをはがし、垂直尾翼の下辺の「糊しろ」を接着します。垂直尾翼が機軸にまっすぐ接着するように注意します。(上記は初期試作時の工法。垂直尾翼の下端の「糊しろ」と、水平尾翼への接着を無くし、垂直尾翼は胴体上部に挟むだけでも保つ?このときは、上記工程を飛ばして、垂直尾翼は下記の胴体上部の接着のときに、胴体にだけとり付ける。)

胴体の前部の上面を折り重ねて接着します。機首断面は台形になりますが、それが歪まないように注意してください。胴体の主・尾翼の「糊しろ」は、まだ折り曲げません。
それから、胴体を定板上に横に倒し、一方の側面を基準面として、胴体の上の継ぎ目を、主翼後縁付近から後方に向かって、テープのカバーを少しずつはがしながら、反対側の側面の上部を定板に押し付け、接着ていきます。
このとき、両側の側面の上端がずれると、胴体が捩れます。胴体の底面を睨んで、それが捩れていないことを確かめながら、上部の接着を進めます。胴体の下面の捩れの有無は、直線定規のような細い、捩れのない平板を当てると判ります。

胴体上部の接着が終わったならば、正立させ、主・尾翼の「糊しろ」を折り曲げます。「糊しろ」は、左右の段差が無く、水平になるはずですが、胴体の接着一発勝負なのでそうならないこともありますから、この段階で修正します。
水平尾翼の中央上面両側の両面テープのカバーをはがし、胴体尾部下側の「糊しろ」に接着します。水平尾翼の取り付け角が狂わないことと、ティルトしないことに注意してください。(左旋回方向の僅かなティルトは可)

主翼を、胴体の台形部分の上面と、三角部分の「糊しろ」に接着します。注意点は、上からみて胴体と直角、前から見手水平尾翼と平行になっているところです。
必要に応じて、L字型に曲げたスチレンペーパーと、アルミ材で、補強します。

胴体の機首部分と、後フック部分は、1mmバルサ1枚、またはスチレンペーパー2枚を接着して補強します。後フック(直径3mmくらいの「竹ひご」またはアルミパイプ)が通る部分は、さらに薄いアルミ板を接着して補強します。

プロペラ周りは、まず、ノーズブロックを機首の「現物あわせ」で削りだし、金属板の軸受けを接着します。プロペラは、市販品または1mm鋼鉄線のシャフトに、ビーズ玉のベアリングを入れて取り付けます。

2時間もあれば組み立てられます。2機以上同時進行で組むと、能率が上がり、量産効果があります。

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July 18, 2008

1136スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑩

1136スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑩:趣味際人

この機体は部品数・工数を減らすために、主・尾翼ともに固定式にしました。
材料・工法が一定しているので重心のバラツキがなく、取り付け角調整の必要度はほとんどありません。必要に応じて主翼・尾翼後縁に適当な長さのガーニー・フラップ(1mm角材)を貼り付ければ、充分に調整可能です。

「ガーニー・フラップ」とは、F1自動車のウイングの後縁補強に細いアングル材を取り付けたものがはじまりです。要するに、後縁を細い幅(1%くらい)で直角に、下側に折り曲げた形のフラップで、揚力は増加します。
(普通のフラップは、翼の後縁の一部、例えばコードの20%くらいを下側に曲げ、効きの大きさは曲げる角度で調整します。要するに、舵と同様な形式です。)

通常、機体を調整するときは、エルロン・ラダー・エレベータなどの舵面を操作することと同様な効果を出すために、タブを付けたり、翼をねじったりします。その強さ、操舵の大きさはその角度で管理されます。
これに対して「ガーニー・フラップ」は、効きの大きさを幅(スパン)で管理します。
模型機の場合は、1~2mmの角材を、当該翼面後縁下側に、必要な効果が得られるまで、長さ30mmくらいずつ追加して貼り付けていきます。
例えば、突っ込み気味ならば、水平尾翼後縁上面に角材を貼り付けます。1mm厚バルサ板、またはスチレンペーパーに、両面テープを貼り付けたものを用意しておき、)1mm幅×30mm長)くらいの寸法に切断して、貼り付けるわけです。
はじめに、後縁央部分上面の両側に上記の角材を貼り付けて飛ばしてみて、効果が不十分ならば30mmずつ翼面外側に貼り増していきます。

エルロン効果(主翼のねじり)を発揮させる場合は、必要な側の主翼の外翼あるいは内翼の外端の後縁下面に、上記の角材を貼り付けていきます。
ラダーを操作する場合も、必要な側の後縁に、効果を見ながら30mmくらいずつ貼り付けていきます。

この方法は、一般的に行われている翼にカイモノを入れたり、ねじったりする方法と異なり、翼そのものは固定していますから、「正則な調整」と言う呼び方には違和感があるかもしれません。しかしながら、「正則な調整」とは、「三舵とスラストラインがそれぞれ独立に調整できること」だと思います。
だから、主・尾翼固定式のガーニー・フラップ調整法は、定量的で正則な調整法と言えます。フラップの長さをカイモノの枚数に換算すれば、取り付け角変更式調整と同じことなのです。

工場で均一に作られた材料使って、一定の設計で機体を作った場合は、比重の様々な木材を組み立てて作るときに比べて、重心位置の移動は少なくて済みます。だから、大部分の場合ガーニー・フラップで調整が付くはずです。
しかしながら、オリジナル設計の1機目で取り付け角を間違った場合などは、最後の手段として胴体側面にV字型の切込みを入れて、下面を支点に胴体を上または下に曲げ、外側から10mm幅くらいのスチレンペーパーを両面テープで貼り付けて補強する方法を取ります。ちなみに、胴体側面の幅は30mmくらいですから、1mm折り曲げると2度くらい尾翼の取り付け角差が変わります。2機目からは、水平尾翼の「糊しろ」の角度を修正します。

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July 17, 2008

1135スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑨

1135スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑨:趣味際人

この機体の要点・ミソは、1本胴のコメタルのかわりに角胴のノーズプラグに取り付けたプロペラで、それ故に、自由・独立に、定量的にスラストラインの調整が出来ます。

ノーズブロックの材料・構造をどのようにするか迷いました。普通の場合、バルサブロックか、バルサ厚板の張り合わせで、中に軸受けとなる金属パイプを通します。

しかしながら、初心者のガラクタ箱には適当な端切れ材が無いわけですから、此処も発泡プラスティックを使いました。
これならば、食品や家電品の箱や詰め物が利用できますから、3cm角くらいの部品のために大きな定尺材を買わないですみます。一応、ゴムの張力がかかる部分ですから、なるべく硬い(比重の大きい)発泡材を選んでください。
筆者は、幸いに内容豊富なガラクタ箱がありますから、20mm厚の水色の発泡材(断熱・防音用の建材?)を使いました。
バルサのノーズブロックに比べると柔らかい感じがしますが、はめ込む相手の胴体機首がおなじ発泡材(スチレンペーパー)であり、動力ゴムも少ないので、今のところスラストラインが狂うようなトラブルはありません。ちなみに、この方式のノーズプラグには、最大TAN2×6条までの動力ゴムを取り付けました。

プロペラ軸受けの定番は、真鍮パイプなのですが、これも初心者のガラクタ箱にはありません。
そのため、ノーズプラグの前後面に、金属板を張り付け、それにあけた穴を軸受けとする型式にしました。
筆者は、ガラクタ箱から0.3mm厚の真鍮板を探してきて、12mm角に切り、中央に1mm(シャフト径)の穴を開けたものを使いました。裏側に両面テープを貼り、4隅を裏側に折り曲げ、それをノーズブロックに食い込ませるように接着します。
この金属板は、厚めの鉄板の缶詰など、身近に同級品がありますから、容易に調達できるはずです。

この機体のオリジナルの動力系としては、プロペラは直径180mmのプラスティック、動力ゴムはTAN2×4条です。
全重量は20g強でA級ライトプレーン並みですが、主翼面積はその半分くらいで、翼面荷重はF1G級に近く高速型といえます。そのため、滑空時の抵抗を考え、A級ライトプレーンの定番である210mmペラより1サイズ下げました。
しかしながらこの機体は様々な動力系に柔軟に対応し、それなりに飛行するようです。この点については詳しく後述する予定です。


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July 16, 2008

1134スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑧

1134スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑧:趣味際人

ふつうの主翼着脱法は輪ゴムで止めるわけですが、そうすると集中荷重がかかる場所が出来て、その補強に工数が増え、加えて空気抵抗や構造重量の増加を招きます。
このスチレンペーパー機は、ほとんどの場合,重心や取り付け角を変える調整をしないですみます。だから、余分な工作を省く意味で、あえて全固定式にしたのですが、運搬が大変なことは確かです。
小さいとはいえ、全体が固定式で折畳めない模型飛行機の運搬は、かさばって手間がかかります。特に電車やバスを利用する場合は、神経を使います。

妥協点、オプションとして、主翼の取り付けは、薄いマジックテープ(「Kincsen」の厚さ0.9mmの極薄、東急ハンズで50×100を2枚(雄・雌)で210円)で着脱式にできます。この方法はGPFの松本允介氏の提案です。
運搬は楽になりますが、外すときは翼を壊さないように要注意です。外すときのための適当な「引き手」を取り付けると良さそうです。

本来、胴体側は台形断面部の後端40mmと、その後の三角形断面部の糊しろ50mmが、主翼中央部下面への接着面になります。此処に長さ90mm(中央部コード分)×15mmほどのスチレンペーパーを接着して、この上にマジックテープの一方を貼り付けます。
主翼側は、本来は直接胴体に接着していましたが、中央部だけ長さ(コード方向)90mm×幅20mmのスチレンペーパーを貼り付けて補強し、それにマジックテープのもう一方を貼り付けます。

マジックテープは、コード全体に貼り付けるのではなく、長さ10×幅15程度の大きさを、前縁・中央(翼が折り曲げられた部分)・後縁部の3箇所に分けて貼り付けました。
この程度の接着面積でも、強力・高速で力がかかるTAN2×6条モデルを含め、飛行t中に外れることは有りませんでした。また、主翼を上から見て旋回方向に曲げる「インクライン」調整も出来ました。
運搬は楽になりますが、外すときは翼を壊さないように要注意です。外すときのための適当な「引き手」を取り付けると良さそうです。


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July 15, 2008

1133スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑦

1133スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑦:趣味際人

両面粘着テープは、筆者にとってはじめての接着手段でしたから、強度や耐久性については未知数です。今のところ、胴体の後フック付近のゴムが暴れて上面が剥がれたことを除いて、飛行中に剥がれたことは有りません。すべての銘柄のテープを試したわけではありませんから、しばらくは要注意と思っています。

実は、1号機はスチレンペーパー用接着剤で組み立てました。
この方法も長所はあるのですが、接着時間や初心者の作業管理の点で両面テープを選びました。「講習会の教材機」という機体の性格上、長期的な稼動は期待しないと割り切って両面テープ選択したこともあります。

両面粘着テープの接着は、一発勝負で張り直しが利かないので、位置決めを慎重にする必要があります。余分なところがくっつかないように、テープのカバーをはがすのは最小限にして、小刻みに接着します。
特に胴体は、機首部、尾翼部、中間のモーメントアーム部と別れていて、接着の手順によってある部分に工作誤差が累積するので要注意。
主翼~尾翼間の胴体上部の接着は、三角形断面の頂点になるので接着面が狭く、ゴムが暴れると剥がれやすいのです。外側からセロテープで補強するか、内側の両面テープを省略して外側からのセロテープだけにしたほうが良さそうです。

胴体と翼の取り付けは、基本としては胴体と一緒に切り出された作り付けの「糊しろ」だけで保つはずなのですが、中央部の水平と上反角がきっちり止まらないときは、必要に応じて補強をします。まず主翼前半部下面に、スチレンペーパーを幅10mm足らずのL型に曲げた補強材を貼り付けます。長さは主翼前半のコードである30~40mm程度です。
また、薄いアルミ板(缶ビールなど)を5mm幅に切り、適当な角度に曲げたものを両面テープで接着して補強します。
この部品は、主翼・尾翼取り付けなど、角度をきっちり決めたいところに利用できます。

主翼は、設計では胴体前半の台形部分の上面に前縁部が接着されて、左右の傾きが固定されます。しかしながら、台形部がゆがむ可能性があり、修正しないと主翼の左右が水平にならないときも有ります。主翼後半部の「糊しろ」は、胴体の側面を曲げたものですから、左右の傾きを固定する働きは弱いからです。


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July 14, 2008

1132スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑥

1132スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑥:趣味際人

スチレンペーパーの翼は、既に、かなり前から多くの方々が使用した実績があります。「への字」型翼型の性能が、平板翼より優れていることも知られており、ライトプレーンの翼にも使われています。
だから、この機体の設計としては特に新味は無いのですが、あえて言えば胴体上面の折れ曲がり(台形断面~三角形断面の境)と、ウイングレットの「糊しろ」を利用して翼型を決め、リブを省略した点です。おかげで非常にすっきりした主翼になりました。
外翼(むしろウイングレット?)は、60度と言う異例に大きな角度の取り付けになっていますが、翼型(「への字」の曲げ角)を正確に保つには大きいほうが良いといえます。今のところ横安定に悪影響はありません。

主翼の平面形としては、あまり自由度がありません。
強度上はテーパー翼が望ましく、翼端部のR数と横安定を考えると強いテーパーは望ましくありません。「ヘの字」の折り目は、左右一直線にしなければならないので、後退角、前進角は付けられません。結局40%くらいのところを中心に比較的穏やかなテーパーを付けると言う、無難な形になります。
スパンはピーナッツのサイズ(13インチ、33cm)を選びました。特に根拠は無かったのですが、材料の強度や、全長(B4版の長手で36cm)とのバランスからほぼ正解だったと思います。

尾翼の面積比、重心位置などは、無難なところを採用しました。これも特別な根拠はありません。
外形については、試作機ですから、単純な直線のままにしてありますが、角を少し丸めるだけでデザイン的には感じが変わります。材料・構造は基本的には一枚板ですから、部分的に外形を変えることは簡単で、前述のように基本寸法に特別な根拠はありませんから、飛行特性に大きな影響はないでしょう。
但し、主翼・胴体共に構造や強度に依る制約条件があり、基本寸法の比率にはあまり自由度がありません。


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July 13, 2008

1131スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑤

1131スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機⑤:趣味際人

前述のように
「胴体は、基本的には三角錐台であるが、底部(機首・太いほう)の上部を折畳み、前部の断面を台形にしてある。(「前方後三角」型)
後方の三角断面部で胴体の形を正確に保ち、前方の台形断面部でスラスト調整(ダウンとサイドの分離)を容易にすると共に、主翼を左右水平に取り付けることが出来る。
基本形が三角錐であるので、1枚の紙を折り曲げることによって、中空の(ゴムが入れられる)胴体を作ることが出来る。」
わけで、この構造が「全スチレンペーパー製客室型ゴム動力機」のミソになります。

この基本形は、用途による様々な仕様の胴体に応用できます。
大雑把な寸法の目安として
1)、機首の底面の幅は30mm、両側面は概ねその1.5倍(30mm×1.5=45mm)
  但し、上面の折り曲げて重ねる部分は、下側になるほうは側面・上面共に材料の厚さ1mmだけ短くする。例えば右側側面を上側に折る場合、右側側面は(23mm+23mm=46mm)、左側側面は(22mm+22mm=44mm)に切り出す。
  機首の断面は、底辺30mm幅、両側面23mm、頂辺23mmの台形になる。
2)、機尾の底面の幅は、概ね10mmを基準。従って両側面は15mm。
  此処の太さを決める条件は、後フック付近の胴体内側の太さ。掲載した設計の胴体の場合、4条のゴムで結び目が後フック付近で暴れたとき、胴体の太さが不足して上側の接着がはがれることがある。2条ならば太さはこれで充分。
  従って、手順としては後フック位置の太さを決めて、機首の太さ寸法と結び、それを直線で機尾まで延長して3角錐台形にする。
3)、1)のように機首の両側面の幅は左右で違う。この差2mmは、胴体が台形断面から三角形断面に変わるところで幅の広いほう(上例では右側)に段差を付け、幅が細いほうにあわせる。この位置は、胴体の高さが最高になるところで、此処に「へ」の字断面の主翼の折ったところ(ハイ・ポイント)が取り付けられる。
4)主翼後縁~垂直尾翼前縁の間の胴体上面の接着は、接着面が三角形の頂点になり、平行でないので狂いやすく剥がれやすい。両面テープのカバーを少しずつはがしながら、狂い・曲がりに注意して慎重に行うこと。両面テープで接着後、外から角にセロテープをかぶせて補強したほうが良い。
5)後フック下面の窓(ゴム取り付け用)は、ゴム入れ棒を使う場合は不要。


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July 12, 2008

1130スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機④

1130スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機④:趣味際人

(承前)
そういう次第で、「B4版のスチレンペーパー1枚だけで全体が作れる、簡単なゴム動力キャビン機」と言うのが、テーマになりました。
結論を先に示すと、アルバムに示したような工作図と写真のような機体です。要点は以下のようになります。

1)、
機体全体が1mmのスチレンペーパーで作れるゴム動力機を設計してみた。
基準の大きさは、胴長360mm、スパン330mm。
全長は、市販のB4版スチレンペーパーの長手一杯、スパンはピーナツ・スケール(13インチ)にあわせた。ちなみに、CFFC(東海)では、ピーナッツ・サイズの自由設計滞空種目「PR級」がある。

2)、
1mmスチレンペーパーの、「へ」の字型翼型翼だと、330mm以上のスパンは強度的に苦しい。全長は、後述する構造上、継がないで造りたい。従って、上記寸法が適当。
加えて、この大きさだと、B4版1枚で1機出来る。

3)、
胴体は、基本的には三角錐台であるが、底部(機首・太いほう)の上部を折畳み、前部の断面を台形にしてある。(「前方後三角」型)
後方の三角断面部で胴体の形を正確に保ち、前方の台形断面部でスラスト調整(ダウンとサイドの分離)を容易にすると共に、主翼を左右水平に取り付けることが出来る。
基本形が三角錘であるので、1枚の紙を折り曲げることによって、中空の(ゴムが入れられる)胴体を作ることが出来る。

4)、
尾翼と主翼の外翼(ウイングレット)は1mmスチレンペーパーそのまま。
従って、全機すべて同じ素材で作れることになる。
接着は5mm幅の両面粘着テープだけで可。

5)、
ノーズブロックは、青色のフォームプラスティック(建築用断熱材?)。前後に真鍮板(空き缶でも可?)を両面テープで貼り付けてプロペラの軸受けにする。
プロペラはプラスティックのD150~180.(ゴムはTAN2×2~4条)

6)、
機首内側(ノーズブロックの受け)、後フックは、1mmバルサ(スチレン2枚で代替可)で補強。1mm板の裏に両面テープを貼ったものを切り分けて、それぞれの部品にする。
但し、「全スチレンペーパー」にこだわるのならば、1mmバルサを2枚のスチレンペーパーで代替する。後フックの竹ひごの通る部分は、缶ビールの薄アルミを貼り付けて補強。(続)


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July 11, 2008

1129スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機③

1129スチレンペーパー製の胴張ゴム動力機③:趣味際人

実は、昨年、JMAにおいてカルチャースクールで行う模型飛行機の講習会の企画が検討され、筆者も参画しました。
筆者としては、正則な調整を習得できるためにキャビン機を教材とすべきと主張したのですが、それをやるとなるとP20級程度の機体が必要で、ハードルが高すぎました。P20級は、AMAの公式規定に採用されて普及しているP30級(全長・全幅30インチ以下、プロペラ240mm、ゴム10g)の弟分の規格で、A級ライトプレーン大の正則なキャビン機です。このクラスの製作には、2時間×5回程度の講習時間では不足で、宿題をたくさん出さないと作って飛ばすところまで行かないわけです。

そのことがアタマにあって思いついたのがスチレンペーパーの利用です。
本来ならば、多数派で正則な材料であるバルサ材の工作を教え、同時に正則の飛行調整法を教えるのが、フルコースの模型飛行機教育です。しかしながら、数回で1区切りの講習では両方をこなすことは困難です。それならば、先に結果が体感できる飛行に特化するという割り切りもやむをえず、工作が簡単でも正則な飛行調整が出来るスチレン機という選択に至りました。

モデラーのキャリア、つまり初心者とベテラン層を区分する条件の一つに、端切れ材の入ったガラクタ箱の有無、更にはその中身の充実度があります。まったくの初心者は、ガラクタ箱の中身はカラで、たった今模型店から買ってきた材料かキットしか持っていないわけですが、ベテラン層の場合は、魔法の箱のようにちょうど良い小部品が何でも入っています。
同じ設計図から機体を作る場合を想定してみます。その機体の一部に、例えばノーズプラグのように厚板またはブロック状の部品があったとしましょう。
ベテランモデラーならば、端切れ材の箱をかき回して、適当なブロックや厚板の切れ端を見つけてきて、簡単に作り上げるでしょう。
初心者の場合、そういう端材がありませんから、汎用材である3mm厚材を張り合わせて作るか、模型屋に走り、5cmも使わない90cm定尺の厚板材を買ってくるか、いずれかになるでしょう。
要するに、多種の材料を必要とする設計は、初心者に余分な負担をかけ、普及を阻害します。入門機の設計は、工作が簡単であると同時に、使用材料の単純化が重要です。「スチレンペーパーだけで作れる」ということは、重要であり、筆者はこれにこだわりました。


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