模型飛行機を性能評価しながら熟成する手順は?⑭
模型飛行機を性能評価しながら熟成する手順は?⑭:趣味際人
飛行の出発の速度や方向を、手投げよりも厳密に管理するために、カタパルトによる滑空計測も行いました。
手投げ滑空テストは、フリーフライト機の調整手順の定番です。ほとんどのモデラーがこのテストを行い、つりあいの良否を判断します。
ただし、このテストははじめに行う荒っぽい一次試験で、その判断は感覚的・定性的なものです。無風の場合、手を離してから着地するまでの距離を見て、滑空比の大小を判断できないこともありませんが、次の理由によって誤差が大きいことは明らかです。
まず、手を離れるときの向き、速度(投げる強さ)、高さが一定に管理できません。それから、地面効果があるため接地直前の滑空が伸びて、見かけ上は現実より大きい滑空比を示します。
上記の誤差要因を取り除いて、手投げ滑空テスト程度の距離の飛行で、より精密な飛行性能の測定を行うために、カタパルト滑空テストが考案されました。実はこの手法はかなり古典的なものなのですが、普通のモデラーが手軽に行うことができる、能率的なシステムが確立していなかったので、模型界では特殊な存在だったのです。
カタパルトは、ゴムや鋼鉄線の弾力で模型機を射出します。
ある重量、大きさの模型機を射出するとき、カタパルトのゴムを伸ばす長さや、鋼鉄線を撓める角度を一定にすれば、概ね一定の初速で発航させることができます。
機体をレールなどに乗せて射出する形のカタパルトならば、射出する方向を一定に保つことができます。
カタパルトは、机などの台や写真の三脚などによって、一定の高さに固定されますから、射出する高度を一定に保つことができます。
従って、滑空テストの初期条件を一定に管理できるのです。
地面効果の影響を取り除くためには、十分に高い高度(スパンの50%くらい)で測定のための滑空を終わらせれば良いわけです。地面効果のために、スパンの50%の高度では、主翼は縦横比が10%くらい大きくなった特性を示すといわれています。人力機のような長大なスパンで超低空飛行をする機種だと、この数倍の縦横比拡大効果が見込まれ、滑空比が大幅に向上するわけです。
地面効果の影響で実力以上の滑空比が測定されることを防ぐために、次のような方法を考えました。
カタパルト前方の一定距離に、壁や衝立などの垂直面を作り、方眼紙を貼っておきます。
テスト機の機首に鉛筆など紙に跡が残るものをつけて、垂直面に衝突させれば、方眼紙に滑空を終わったときの高度が記録されます。
カタパルトから垂直面(方眼紙)までの距離が滑空の水平距離、方眼紙の衝突跡の高さとカタパルトの高さの差が、沈下距離になります。
カタパルト射出から衝突までの時間で水平距離・沈下距離を割れば、滑空速度と沈下速度が求められます。
輪ゴム機のスパンは250mmくらい、室内機やA級ライトプレーンのスパンは500mmくらいですから、垂直面に衝突する高さが300mm程度であれば、地面効果の影響は無視できます。この種の機体の滑空比は5前後ですから、飛行距離が3mのときは衝突する高さより600mm程度高い位置、つまり床上900mmから発進させればよいわけです。
これは床に立ってカタパルトを操作するとき、手ごろな高さで、普通の机(高さ700mmくらい)の上や写真の三脚にカタパルトを取り付ければこれくらいになります。


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