918オープンラバー考⑧
918オープンラバー考⑧:趣味際人
オープンラバーのもうひとつの特徴は、動力ゴムの分量が無制限である点です。
ゴムの分量を選択できると行くことは、全重量とゴム搭載比が変動すると言うことで、動力設計に対して無限の変化を与えることになるのです。
太い胴体にゴムをたるませて押し込むテクニックは、「ホワイトシステム」他様々研究され、
ゴム搭載比が60%以上、つまり構造重量より多い動力ゴムを搭載している機体もありました。ちなみに、現在の国際級のゴム搭載比は10%強です。
胴体の設計に当って、「胴体重量1g当り何gのゴムが積めるか?」という点が重要でした。
本場のオープンラバー機では、胴体重量の4倍くらいのゴムが積まれていました。これに対して国際級のゴム塔裁量は、胴体重量の1/3~4程度です。
筆者が現場復帰したとき、R50級規格に初挑戦しました。この規格はA級ライトプレーン大(50cm×50cm)の被覆胴機で、動力ゴムのフック間隔は200mmに制限されていました。
先輩たちの機体は、全体としてF1B級、F1G級の縮小版的な洗練された外形で、細いパイプ胴に3~4gのゴムで優雅に飛んでいました。
上記のオープンラバー系の知識があったので、胴体を太くして(50mm角のトラス組紙張り)目一杯ゴムを詰め込むことを試みました。その結果、TAN2を8~10条で、10g近いゴムが積めました。プロペラはミニクープ用で、スパンの2/3くらいの大直径です。
主翼は太めにして翼面積を増やしましたが、機体重量も増えたため翼面荷重も大きく、滑空比も低下しとおもいます。出力増加の大部分が食われてしまって、理論性能としては一般的な設計と大差が無かったかもしれません。しかしながら、とにかくよく上昇しました。それでも重量級のほうが外乱に強いわけで、強風には強かったはずです。
当時、R50級を立案し、飛ばしていた人たちは、オープンラバー系の経験が無いわけですから、このような発想は想定外だったようで、ウラワザ的に受け取られたようです。R50級の競技が行われなくなった時期だったので、実戦で比べることは出来ませんでしたが、すくなくとも一般と違った回答である設計を行うことが出来たということです。
筆者としては、複数の正解、つまり最適設計が生ずる、規格・機体仕様制限法が、ひとつの正解に収斂するものよりも望ましいと考えています。そういう点で、R50級の仕様制限は、空力効率向上派と、動力増強派の二つを競合させているわけで、動力を強化できると言うオープン系の要素を残した、面白い縛り方だとおもいます。


Comments