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「模型」航空機、「模型」飛行機の意味や範囲も、今と昔と変わってきています。
「昔」の代表として、筆者が生まれた頃の1940年代を想定します。国家による日本の模型航空教育が始まった頃で、文献も多く、基準にしやすい時点です。
筆者は、リアルタイムの体験はありませんが、10数年経過した戦後初期に、当時の文献によって勉強しましたから、想像は付きます。
実機と模型機の大きな差、あるいは区別するポイントとして、
「人が乗れるかどうか」
という条件があります。
この条件は明確ですが、昔はそれ以上に「模型」と「実物」の間に大きな断絶がありました。その理由は、技術水準と模型にかけられる費用の大きさです。
ハンググライダーや鳥人間や人力機のような、人一人をギリギリの飛行をさせる手段が実用化されたのは、戦後しばらく経ってからです。それ以前は、人一人を飛行させるためにははるかに大掛かりな仕掛けが必要で、そのための「航空機」は現在より大きく、重いものでした。
「人を乗せて飛行できる」仕掛けの下限は、現在よりかなり高かったといえます。
他方、モデラーの懐具合も現在よりはるかに乏しく、製作できる模型機も小型で簡易なものにならざるを得ませんでした。エンジンも高値の花で、RCにいたっては事実上無い状況でした。従って「模型機」の上限は現在よりもはるかに低いものでした。
従って、「人が乗れる」という境界線があるものの、模型機の上限はそれよりもはるかに低く、実機の下限である境界線そのものも、大きさ・重量・出力など定量的な条件としては現在より高かったわけです。模型と実物の間には広い空白地帯が存在し、お互いに境界線を乗り越えるような事態は起こらなかったわけです。(続)


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